Different Worlds Finance - The Thing That If a Cass Teacher Who Doesn't Want To Work Starts Lending Gold In Different Worlds, He's Gonna Be Unique

684 38, Tyrannosaurus Naguat



684 38, Tyrannosaurus Naguat

変な四人組を浮身を使って店の外に連れ出した。

「てめっ! ちっと魔法が使えるぐれぇで調子に乗んじゃねぇぞ!」

「俺ら『キンクスパイロ』は七等星パーティーだからよ! その気になりゃあテメーなんか!」

「俺らが一声かけりゃあここらのモンはすぐ集まんだからよ!」

「おい! みんな来てくれや! 田舎モンのガキが調子コイてやがるぜ!」

おお、本当にワラワラ集まった。これを雲霞の如くって言うんだろうな。あぁ、かなり昔にグリードグラス草原で迷子になって帰れなくなったことを思い出してしまった。襲われはしなかったけど、虫がすごかったよな。

あの時はフェルナンド先生とマリーが助けに来てくれたんだよな。あれ? マリーに助けられた回数ってもしかしてぶっちぎり? 改めてしっかりお礼をしなければ。

ナメんなー、よそもんがー、うらー、殺すぞー、金と女置いてけやー、いーやそれでも殺す、あの男の子かわいいわね、遊んであげようかしら。そんな声が聞こえてくる。

さすがにこれだけの数を相手に金を貸すのは面倒だな。『麻痺』『落雷』『重圧』

お手軽三点セットで黙ってもらおう。さて、立っているのは……一人、いや二人だけか。中々やるな。

「さすがだな魔王。俺を覚えているか?」

「もちろん。お久しぶりです。」

『誰? アレクは分かる?』

伝言の魔法で助けを求める。

「私とは対戦しませんでしたね、ナグアットさん。」

そうだ! 準決勝で対戦したナグアット選手だ。かなり厄介な相手だったな。

「氷の女神か。君とも対戦してみたかった。あの時なら俺が勝っただろうが、今はどうだろうな。」

「ナグアットさんは有名みたいですね。こいつら、いの一番に名を挙げてましたよ。」

「いの一番? まあ俺も仕事に精を出してるからな。せっかく会ったんだ。一杯どうだ?」

「ピュイピュイ!」

私より先にコーちゃんが返事をしてしまった。アレクとあそこに行こうとしてたのに。でもコーちゃんもかわいいから許してあげちゃう。

「僕とアレクは酒は飲みませんが、行きましょう。どんなお店をご存知か興味がありますので。」

「カースのバカ……」

ああっ、アレクの表情が!

なんてセクシーなんだ。肌の露出が貴族はおろか、平民でもやらないレベルだもんな。恥ずかしさと欲望が入り混じってわけ分からん状態と見た。

だからこそナグアットさんについて行く。

結局絡んできた四人組は放置か。儲けそこねたな。まあいいや。

「俺はナグアットの相棒、トラハイドってんだ。『リリックオーシャン』のメンバーでもある。」

「カース・ド・マーティンです。」

「アレクサンドリーネです。」

「ピュイピュイ」

「あの時の三回戦は俺も見ていた。ナグアットがあそこまで手も足も出ないとはな。もちろん決勝も見てたぜ。お前ら最高だな。」

「どうも。ナグアットさんも結構やりますよね。」

「はっはっは。そう煽ててくれるな。時間こそ粘った方だが、相手にならなかったのは分かってるさ。あれからもうすぐ二年か。王都にいなかったのか?」

「ええ、ずっとクタナツにいたもので。今回は久々の夏休みってことで、遊びに来たわけです。」

「そうだったのか。おっと着いたぜ。ここだ。」

見たところ普通の酒場だ。腹は減ってないからお茶かコーヒーでもあればいいのだが。

「おう、帰ったぜ。それから客人、魔王様だ。」

「魔王? おかえり。……魔王様だって!?」

「本物だぞ。まずは一杯出してくれよ。」

「ナグアットさんのお姉さんですか?」

「母親だよ。ここは俺の家だ。うちのメンバーもよく使ってる。」

へー。きれいなお母さんじゃないか。

「まあ! あの魔王様でいらっしゃいますか! うちの息子がお世話になっております!」

「どうも。カース・ド・マーティンです。お腹は空いていませんので、お茶かコーヒーを二杯お願いできますか?」

「アレクサンドリーネよ。私もね。」

「ピュイピュイ」

「おっと、この子にはお酒をお願いします。高い順で何杯か。」

「はーい! どうぞお座りくださいね!」

それから王都の情勢や魔物の動向について話を聞かせてもらった。それなりに興味深い内容だった。だから代わりに領都で行われるであろうイベントを教えておいた。金貨百枚と聞いて参加したそうだったが、私も参加すると言ったので、絶対参加しないと言われてしまった。

ちなみに会話の間に私が飲んだのは、お茶とコーヒーが二杯ずつだった。アレクにも同じものが運ばれていた。お茶目なお母さんだな。コーちゃんには透明なお酒。芳醇なアルコール臭がしたので、いいやつなのだろう。コーちゃんは美味しそうに飲んでいたし。

楽しいひと時だった。

「さて、おいくらですか?」

「いえいえ、魔王様からお代なんかいただけませんよ。その代わり、また来てくださいね?」

「コーちゃんが高そうなお酒を結構飲んでたと思いますけど、大丈夫なんですか?」

「いいんですよぉ。息子をよろしくお願いしますね!」

「分かりました。ありがたくご馳走になります。じゃあこれ記念にどうぞ。」

「まあ何かしら? あら、髪留め? ありがとうございますね。」

昔アレクにミスリルの髪留めをプレゼントした時の失敗作だ。腐ってもミスリルだからな。捨てるのももったいないから、そのうち弾丸にしようと思って放っておいた奴だ。ちなみにアレクはお風呂でよく愛用してくれている。

「よかったな、お袋。魔王様から下賜されるとは末代までの誉れ……おい! 魔王! こいつぁ……」

おっ、さすが若手有望株。気付いたか。

「ただの記念ですよ。ちゃんと使ってくださいね。ではまた。」

「ご馳走さま。」

「ピュイピュイ」

「まったくよぉ……またな、魔王に氷の。」

「また来てくださいね!」

「俺にも何かくれよー。」

やらん。

「金に困ったら貸してあげますよ。」

酒場を出た私はアレクにすごい勢いで例の場所まで引っ張り込まれた。コーちゃんは退屈そうだが、さっきたくさんお酒を飲んだんだから大人しく待っててね。こっちは大人の時間ってことで。「ピュイー」


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